山田温泉のお湯は、やや熱めであることが特徴です。 この熱さこそが温泉の魅力でもありますが、初めてのお客様ですと、驚いて数分で出てしまわれることもあり、せっかくの良さを存分に味わっていただけないことがあります。
そこで、日頃から温泉に親しんでいるスタッフより、山田温泉の熱めのお湯を最大限楽しんでいただくための入り方をお伝えいたします。
この湯をより心地よく味わっていただけるよう、スタッフとして普段から感じている“入り方のコツ”を、ささやかながらまとめました。
山田温泉は応永年間(1394〜1427)に発見されたと伝えられ、修験者たちが修行の地として選んだ由緒ある温泉です。松川渓谷に広がる空気には澄んだ静けさがあり、自然の中に身を置くような深い安らぎを感じていただけます。
当館のお湯はやや熱めの設定となっており、この“熱さ”が身体の芯まで温めてくれる特徴があります。
1. まず身体を洗い、身支度を整える
湯に入る前に、まずはゆっくりと身体を洗い、気持ちを落ち着けていただくと、より温泉が心地よく感じられます。
2. 浴槽へ。最初の熱さはすぐに馴染みます
お湯には湯の華がやわらかく浮かび、見た目にも落ち着きを与えてくれます。最初は少し熱いと感じるかもしれませんが、数秒で身体がふっと馴染んできます。熱い湯に慣れたときの身体に走るざわめきが癖になります。
そのままゆっくり肩まで浸かっていただくと、自然と呼吸が深くなり、身体のこわばりがほどけていきます。
3. じんわり温まったら、休憩を
浴室内には腰かけていただける椅子をご用意しております。ゆっくりと湯から上がり、まずはそこでひと息ついてみてください。
窓を開けると松川渓谷の澄んだ空気がふわりと流れ込み、温泉で温まった身体に心地よく触れます。この外気との温度差は、熱めのお湯だからこそ感じられる独特の爽快感です。
そして、この休憩の時間こそが、実はもっとも大切なポイントです。
熱でゆるんだ身体に外気があたると、ふわっと身体が軽くなるような、不思議な浮遊感が生まれます。肩の力がすっと抜け、呼吸が自然と深くなり、頭の中まで静かに整っていくような感覚です。
まさに“温まる → 外気を浴びる”という、このわずかな時間が、次に入るお湯をよりいっそう心地よくしてくれます。
4. 身体が少し冷えてきたら、再び湯へ
軽く身体が冷めたところで、もう一度温泉に入ると、最初とはまた違った深い温まり方を感じていただけます。この“温まる → 外気を感じる → もう一度温まる”流れは、多くのお客様に好評です。
5. 休憩場所はご自由に
湯の縁でも、椅子でも、気の向くままにおくつろぎください。静かに過ごしていただくと、自然に時間がゆっくりと流れていきます。
気づくと、1時間、2時間と思った以上に長く浸っていた、とおっしゃるお客様も多くいらっしゃいます。
お湯が熱く感じる場合は湯もみ板を用意しているので温泉の成分を薄めずに温度を下げることができます。
1.貸切露天風呂
宿泊のお客様は無料で入ることができる貸切露天風呂。開湯700年の歴史ある温泉をお楽しみください。
2.大湯
歴史を感じる風情ある佇まいの温泉。熱湯、やや熱湯、ぬる湯を楽しむことができる。おすすめはもちろん熱湯宿泊のお客様は無料で入ることができます。
3.滝の湯
歴史を感じる風情ある佇まいの温泉。こちらの温泉は熱すぎることが多いので水で薄めて入ったほうが良い。
4.内湯
松川館の館内にある温泉。シンプルながら自由で様々な楽しみ方ができる。夜も朝もお気軽にお楽しみください。
松川館で楽しめる温泉は、特別な飾りのない素朴な湯ですが、長く愛されてきた理由があると、日々感じております。
熱めの湯に浸かり、外気で休み、また湯へ戻る。この流れは、不思議なほど心地よく、滞在中につい何度も繰り返したくなります。 お客様の中には「気づいたら今日3回目でした」と笑顔でおっしゃる方もいらっしゃいます。
私自身も、毎日見慣れたはずのお湯なのに、何度でも入りたくなってしまいます。
宿を離れた後も「またあの温かさに包まれたい」とふと思い出してくださる方が多く、温泉を大切にしてきた者として嬉しい限りです。 どうかごゆっくりと、お客様のペースでお楽しみください。
皆さまのお時間が心地よいものとなりますよう、心より願っております。